昨今ではライブチャットが一定の人気を保っており、老舗とよばれるサイトから新たに開設されたサイトまで幅広くチャットサイトが存在します。特に人気なのはアダルトライブチャットですが、実は風営法に基づく届出を行わなければ運営することができません。ここでは、アダルトライブチャットの運営に必要な届出について説明していきます

 

映像送信型性風俗特殊営業に該当するアダルトライブチャット

アダルトライブチャットは、利用者が金銭を支払い有料でサービスを受けるものです。インターネットを介して異性同士がパソコン画面で会話したり性的な画像を交換したりすることから、性風俗特殊営のひとつに数えられます。

 

アダルトライブチャットといった形態は、風営法第2条第8項によれば映像送信型性風俗特殊営業に分類されます。アダルトライブチャットの営業を開始するためには、以下の手続きを行う必要があります。

  • 拠点となる事務所を持つ
  • 事務所の住所地を管轄する警察署(公安委員会)に対し営業開始10日前までに「営業開始届出書」を提出する

映像送信型性風俗特殊営業の場合、営業時間に制限は設けられていませんので、24時間を通して営業することが可能です

 

なお、前述の風営法第2条第8項でアダルトライブチャットが分類されている映像送信型性風俗特殊営業ですが、警視庁ホームページによれば以下のように定義されています。

 

「映像送信型性風俗特殊営業」とは、専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電気通信設備(インターネット等)を用いて、その客に当該映像を伝達すること(放送又は有線放送に該当するものを除く。)により営むものをいう。

※警視庁ホームページより

 

もう少し具体的に考えてみると、映像送信型性風俗特殊営業で利用者は以下のインターネットサービスを受けることができると理解できます。

  • 「性的な行為を表す場面」:自慰行為、性交、性交類似行為等を行う様子
  • 「衣服を脱いだ人の姿態」:全裸や半裸など、公衆の面前で衣服を着用すべきところ、これを脱いだ人の姿態

 

映像送信型性風俗特殊営業の申請の流れと必要書類

アダルトライブチャットサイトの開業に際し、事前に映像送信型性風俗特殊営業の届出を行っておく必要があります。まずは届出の内容についてみてみましょう。

 

警察(公安委員会)への届出

映像送信型性風俗特殊営業を開業する際、必要書類を揃え、事務所所在地を管轄する警察署(公安委員会)に対し届出を行います。必要なのは営業開始届出書とその他添付書類となりますので、どのような添付書類が求められるか事前に警察に確認するといいでしょう。営業を始める日の10日前までに届出を済ませます

 

必要書類

警視庁ホームページによれば、届出には「営業開始届出書」の用意が必要です。届出書に記載する事柄が非常に重要であり、以下のように細部にわたり申告しなければなりません。

 

営業開始届出書への記載事項

  • 氏名または名称
  • 住所
  • 法人の場合は代表者の氏名
  • 広告または宣伝をする場合に使用する呼称
  • 事務所の所在地
  • 映像伝達用設備を識別するための電話番号等(客がアクセスするURLや電話番号)
  • 自動公衆送信装置(サーバーやコンピューター)が他の者の設置するものである場合には、その自動公衆送信装置の設置者(プロバイダー)の氏名または名称および住所
  • 営業を開始しようとする年月日

 

営業方法の申告

  • 広告宣伝をするかどうか
  • 広告宣伝する場合はその方法
  • 広告をうつ場合でも18才未満の利用禁止を明らかにする方法
  • 18才未満の利用ができなくする方法

 

その他添付書類

  • 住民票の写し
  • 営業者が外国人の場合は在留カード又は外国人登録証明書のコピー
  • 事務所物件の建物登記事項証明書(建物登記簿)
  • 事務所図面
  • 事務所の使用について権限を有することを疎明する書類
  • 賃貸借契約書のコピー(全ページ、重要事項証明書も含む)
  • 使用承諾書(使用使途に関して建物の所有者による署名・捺印があるもの)

 

法人申請の場合はさらに、法人・登記事項証明書(会社登記簿)・定款の写し・役員全員の住民票の写しが必要です。

 

まとめ

アダルトライブチャットはインターネットを介した無店舗型のサービスですから、他の性風俗特殊営業よりも比較的新しいジャンルだといえます。当事務所では、風営法に詳しい警察OBを始めとするスタッフや、アダルトライブチャット関連業務にも経験の深い行政書士が対応しますので、ぜひお気軽にご相談ください