最近では、飲食店でマジックを鑑賞させたりカジノを楽しむことができたりと、さまざまな形態のサービスを提供する店が増えてきました。このような飲食店の総称をアミューズメントバーといいますが、そのなかでもここでは、アミューズメントバーの概要や種類、またアミューズメントカジノ開業にあたり必要になる許可について説明していきます。
アミューズメントカジノの概要と必要な許可
アミューズメントバーといっても種類があり、あえて定義するとすれば「飲食以外に客を喜ばせるための施設を持つ店」といえるでしょう。マジックバーやカジノバー以外にも、猫カフェなどのアニマルバーやアニメの世界を再現したコラボバー、卓球台などが設置されているスポーツバーなど、実に多彩な営業形態が存在していることがわかります。
なかでもアミューズメントカジノは、アミューズメントと名がついているものの、アミューズメントバーのなかでも特に射幸心をあおる営業形態であるといえるでしょう。
アミューズメントカジノ開業に必要な許可とは
アミューズメントの提供という特徴はありますが、酒類を含む飲食物を提供するのですから、飲食店営業許可の取得が欠かせません。同時に、アミューズメントバーのうちカジノやゲームなど射幸心を刺激する遊興をさせる店舗については、風俗営業5号の許可を取る必要もあります。
- 飲食店営業許可:飲食の提供を行うため保健所に申請を行う
- 風俗営業5号許可:射幸心を刺激する遊興を提供するため警察に申請を行う
射幸心を刺激する遊興とは
「あと少しで当たるかもしれない」「楽しすぎてついお金を投じてしまった」といったように、カジノバーでは客の射幸心を刺激するケースが少なくありません。このため、アミューズメントカジノを開業するためには、前述の通り、風営法に基づき風俗営業5号許可を取得する必要があります。
ただし、射幸心を刺激するおそれのある遊技を提供しているかどうかがポイントなので、該当する遊興を提供していない場合は風俗営業の対象とはなりません。では、どのような遊興が「射幸心を刺激するおそれのある遊技」に該当するのでしょうか。
メダルゲーム
メダルを使ったスロットやメダル落としなどのゲームは、まさに「あともう少しでたくさんメダルを取れる」といった射幸心をそそる遊興だといえます。こういったゲーム機を設置する店は、風俗営業5号許可を取らなくてはなりません。
ビデオゲーム
eスポーツというジャンルが確立されたこともあり、客にゲーム機で遊興させるバーも増えてきました。このような店も風俗営業5号許可の取得が必要です。
カードゲーム
令和4年3月に施行された「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」の第3条第5項では、トランプやトランプ遊技台も風営法における規制対象であることが明文化されています。
ルーレット台、トランプ及びトランプ台その他ルーレット遊技又はトランプ遊技に類する遊技の用に供する遊技設備
※第3条第5項より
風俗営業許可を必要としない遊興とは
同じゲーム類でも、風俗営業許可が必要ないものもあります。代表的なものとして、ビリヤードやデジタルダーツ、シミュレーションゴルフゲームなどを挙げることができます。いずれも一般的なスポーツとして捉えられることから、風営法の対象外となります。
まとめ
アミューズメントカジノが風営法の対象となる最も大きな理由は、ゲームの特性として射幸心を大きく刺激する点にあるといえます。したがって、施設内で飲食の提供も行う場合は、飲食店営業許可と風俗営業5号許可の両方を取得する必要があるのです。
ただし、自治体によってローカルルールが存在する場合もありますので、風営法に詳しい警察OBや経験豊富な行政書士が対応する当事務所まで、ぜひ一度ご相談ください。