風営法に違反した場合、懲役や罰金などの刑罰が科される刑事罰や、許可取り消し・営業停止といった処分が科される行政処分を受ける可能性があります。ここでは、どのようなことをしてしまうと風営法違反とみなされてしまうのか、説明していきます

 

風営法における刑事罰

風営法への違反が刑事事件として扱われた場合、被疑者は逮捕・起訴され、刑事裁判を受けることになります。有罪の判決がおりた場合、懲役や過料などの刑事罰を受けます。具体的には、以下のようなケースが刑事罰に繋がりやすいため、十分注意して営業するようにしましょう

 

【違反行為①】2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはこれの併科

居酒屋やバーなどの酒類提供飲食店が、深夜帯に接客を伴う営業を行っていた場合、無許可の風俗営業とみなされることがあります。たとえば、以下のようなケースが該当します。

 

  • 風俗営業許可を得ず「無許可」で営業していた場合
  • 他人からの名義貸しで許可を得ていた場合
  • 営業禁止エリアで風俗営業を行っていた場合 など

 

【違反行為②】1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれの併科

以下に該当する状況または接客行為がみられた場合も、風営法違反になります

 

  • 承認なく店内構造や設備変更を行った場合
  • 18歳未満の者に接待をさせた場合
  • 18歳未満の者を客として入店させた場合
  • 20歳未満の者に酒類やたばこの提供を行った場合 など

 

【違反行為③】6か月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれの併科

以下については、客引き行為や無届の性風俗営業が行われないよう慎重な営業を心がけましょう

 

  • しつこい客引き行為をした場合
  • 無届にもかかわらず店舗型・無店舗型などの性風俗特殊営業を行った場合 など

 

【違反行為④】100万円以下の罰金

風営法に定められた管理をきちんと行わなかったり警察に非協力的だったりする場合は、100万円以下の罰金に問われることがあります。

 

  • 従業員名簿がなかったり虚偽の記載をしたりした場合
  • 警察による立ち入り検査に非協力的だった場合 など

 

【違反行為⑤】50万円以下の罰金

違反行為④と類似していますが、以下の行為がみられた場合も罰金を科される可能性があります。

 

  • 許可申請書や添付書類の記載事項が虚偽であった場合
  • パチンコ・ゲームセンターの玉やメダルを店舗外に持ち出させた場合
  • 店舗型・無店舗型を問わず性風俗特殊営業で虚偽申告をしたり変更届を行わなかったりした場合
  • 深夜酒類提供飲食店営業の届出を正しく行わなかった場合 など

 

【違反行為⑥】30万円以下の罰金

罰金の額は低くなりますが、以下に挙げる行為にも注意が必要です。

 

  • 店舗の見やすい場所に許可証を掲示していない場合
  • 変更があったにもかかわらず届出を行っていない場合
  • 営業停止標章を汚損したり破壊したりした場合 など

 

風営法における行政罰

刑事罰とは別に、許可取り消しや営業停止、指示などの行政処分が科されることもあります

 

【行政罰に該当する違反行為①】許可の取り消し

  • 承認を受けずに構造や設備を変更した場合
  • 名義貸しを行った場合
  • 18歳未満の者に接待をさせた場合
  • 禁止エリアで営業した場合
  • その他法令や条例に違反する行為があった場合 など

 

【行政罰に該当する違反行為②】営業停止

営業停止にいたるきっかけは「これくらいならいいだろう」という思い込みに端を発することが多いので、以下のような行為には十分注意しましょう。

 

  • 客引き行為があった場合
  • 18歳未満の者を客として店舗に立ち入らせた場合
  • 20歳未満の者に酒・たばこを提供した場合
  • 店舗型・無店舗型を問わず性風俗特殊営業の広告宣伝方法に違反があった場合 など

 

【行政罰に該当する違反行為③】指示処分

指示罰だからといって甘く見ることなく、真摯な態度でルールを守ることが大切です。

 

  • 店舗内の見やすい場所に許可証を掲示していなかった場合
  • 変更点について正しく届出を行わなかった場合
  • 見やすい場所に料金表などを掲示していなかった場合
  • 従業員名簿を備え付けていなかったり虚偽の記載をしたりしていた場合 など

 

 

まとめ

刑事処分を受けたからといって行政罰を受けないわけではありませんし、その逆についても同じことがいえます。「これくらい大丈夫だろう」といった安易な考えが、思わぬ事態を招くことになりかねませんので、開業前からルールをしっかりと理解し確実に実行できるよう準備していくことが大切です。疑問点や不安な点は、風営法に詳しい警察OBもいる当事務所にご相談いただければ、開業準備からしっかりとサポートさせていただきます。ぜひ、お気軽にご相談ください。