コンカフェとは「コンセプトカフェ」の略称で、いわゆるメイド喫茶やコスプレカフェなどのように、ひとつのジャンルに特化したサービスを行う飲食店を指します。主に異性客を相手とすることが想定されているため、風営法とのかかわりについてはよく調べておくべきでしょう。ここでは、コンカフェの開業・営業のために必要な許可について説明していきます。
コンカフェ営業に必要な許可と届出
コンカフェは、ひとつのテーマに沿った店舗づくりやサービス展開を行う点が特徴的であり、たとえば以下に挙げるような種類がみられます。
- コスプレ(店員がコスプレをしてサービス提供)
- マンガやアニメなどとのタイアップ(マンガやアニメの世界を再現してサービス提供)
- テーマパーク(テーマに沿った店舗づくりや制服着用によるサービス)
- 学園もの(店員が学生服を着てサービス提供)
- 水着もの(店員が水着を着てサービス提供)
コンカフェに必要な許可・届出とは
上に挙げたようなコンカフェを開業・営業するには、営業形態により大きく3つの許可申請や届出を行う必要があります。
飲食店営業許可
1つ目は飲食店営業許可で、これはどの形態のコンカフェであっても取得しなければなりませんので、保健所に出向き申請を行いましょう。
飲食店営業を行うための条件として、
- 調理場に二層シンクがある
- 冷蔵庫がある
- 手洗い設備と固定の消毒装置がある
- 扉付きの収納がある
- トイレにも手洗い設備がある
- 天井や床、壁がむき出しではない
これらを満たしていれば、ほぼ問題なく許可がとれるとされています。
深夜酒類提供飲食店の届出
もし、開業するコンカフェを午前0時から午前6時までの深夜帯にわたり営業することを考えているのであれば、深夜酒類提供飲食店の届出を行わなければなりません。届出が滞りなく済めば、24時間営業も可能になりますが、いわゆる接待を含むサービスを行うことはできないので注意しましょう。
一方、どのような行為が接待に該当するかは、営業者と検査を行う警察との間で認識がわかれやすくなる点でもあります。認識のズレが存在するまま営業を続けると、摘発の対象となる可能性も出てきますので、あらかじめ警察によく確認したうえで、接待とみなされるサービスを行わないよう気を付ける必要があります。
風俗営業許可
一般的に、以下のような「接待」とされる該当するサービスを行う場合は、風俗営業許可をとらなければなりません。
- 客への酌
- 客との談笑
- カラオケでの客とのデュエット
- 客との若干のスキンシップ など
スキンシップについては、性的好奇心をそそる可能性があるものの、卑猥であると判断されない程度であれば認められることが多いといわれています。ただし、このあたりは、申請を受ける警察側の判断に左右されやすいことも理解しておきましょう。
深夜酒類提供飲食店の届出は必要か
コンカフェの営業時間は、風俗営業許可を取得している場合は深夜0時までとすることができます。一方、自治体により条例が異なり、北海道のように午前1時まで可とする場合もあるので、あらかじめ確認しておくといいでしょう。一切の接待行為がない場合は、風俗営業許可をとらず深夜営業を行うという選択肢もありますが、やはり盛り上がりやすいのは夜間帯であることからも、念のため深夜酒類提供飲食店の届出を行っておくことを検討してもいいかもしれません。
【コンカフェの営業時間】
接待の有無など | 許可・届出 | 営業可能時間 |
あり | 風俗営業許可 | 深夜0時(自治体により1時) |
なし | なし | 24時間 |
酒類提供の場合 | 深夜酒類提供飲食店の届出 | 24時間 |
まとめ
コンセプトカフェといっても、酒類提供をメインとせず「カフェ」として営業を行う場合もあれば、酒類を提供したり接待を伴ったりする「バー・キャバクラ」のような営業を行う場合もあるでしょう。どのような営業形態を想定しているかによって、とるべき許可や行うべき届出は変わってくるのです。法律にしたがい正しく営業していくためにも、できるだけ専門家に依頼し、適切な助言を受けながら各種許可や届出を行うことをおすすめします。
当事務所では、風営法に詳しい警察OBを始めとするスタッフと経験豊富な行政書士が対応しますので、ぜひ安心してご相談ください。