デリヘルはデリバリーヘルスの略で、法的には無店舗型性風俗特殊営業の届出を経て開業できるものです。ここでは、デリヘルと風営法の関係性や届出の内容について説明していきます。
デリヘルの法的特殊性と概要
同じ風営法が適用される業種の中でも、デリヘルを開業するための手続きは若干異なっています。デリヘル開業で行うべき手続きの正式名称は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第7項第1号に該当する営業」であり、他の業種が「許可」を申請するのに対し、デリヘル開業については無店舗型性風俗特殊営業の「届出」を行うことになるのです。
デリヘルは、客からの申し込みに応じて異性スタッフを手配し客のもとを訪問させます。異性スタッフは、疑似的な性行為を含む性的サービスを行い、客はこのサービスに対して料金を支払う仕組みになっています。したがって、デリヘルを開業するためには、客からの申し込みを受けたりスタッフを管理したりするための事務所が必要であり、開業した者は「デリヘルを営むことを許諾したことがわかる物件の使用承諾書」を持っていなければなりません。
デリヘル開業の「届出」手続き
デリヘル開業するためには、以下の条件を満たしている必要があります。一つ目には、先に述べたとおり「事務所となる物件について貸主から承諾を得ていること」、二つ目には「パソコンや電話など営業に不可欠な設備があること」です。また、ホームページを公開して集客する場合は、すでにURLを保有していることも条件になります。このとき、トップページには年齢による利用制限がある旨や、18歳未満の閲覧・利用を禁じる注意文を掲載する必要があるので注意しましょう。
条件を満たす場合は、警察署を通して公安委員会に「営業開始届出書」を提出します。届出を行わない場合は風営法違反になるだけでなく、開業に必要な届出確認書の交付を受けることができません。各種媒体に広告を掲載し集客するためには営業開始届出書が不可欠ですので、重要な手続きであると捉えましょう。届出には原則として以下の書類が必要になります。
- 無店舗型性風俗特殊営業届出書
- 営業方法説明書
- 使用承諾書(物件の貸主による承諾書や建物登記簿謄本)
- 営業者住民票
- 事務所平面図
- 待機所の使用承諾書
- 待機所の平面図
なお、デリヘル開業の際に必要になるのは、営業許可の申請ではなく営業開始の届出になります。性風俗営業を始めるうえでは、事務所の所在地域のローカルルールなども関わってきますので、あらかじめ専門家に相談しながら届出の準備を進めることが大切です。
無事に営業開始届出書の交付を受けたら、事務所内に常に掲示しておくことが求められます。
無店舗型デリバリーヘルスの営業においては「営業の本拠となる事務所」を定める必要があります。店舗型とは異なり、床面積や部屋数は問われず、周辺施設保護の制限もありませんので、物件の貸主からの承諾書があれば比較的自由度が高いといってもいいでしょう。
まとめ
これからデリヘルを開業したいと考えている方には、風営法に詳しい警察OBをスタッフに迎えている当事務所までぜひご相談ください。個別のケースに応じた助言が可能であると同時に、経験豊富な行政書士が風営法に基づくサポートを行います。
風営法自体がやや複雑な法律であると同時に、風俗営業はその地域の条例やローカルルールに従う必要も出てくるので、自己判断で手続きを進めるのではなく、法令をよく理解した専門家の力を借りることは非常に大切です。まずはお気軽にお問合せいただき、現在の状況やどのような条件のもとで開業したいのかなど、ぜひお話を聞かせていただけますと幸いです。