カウンターのある店でカウンター越しの接客が必要になる場合、必ず風営法による定めを守らなければなりません。また、店内設備のサイズにも規定があるので注意しましょう。ここでは、カウンターのある店における接待行為や構造的な基準について説明していきます

 

1mを超える設備を店内に置かないこと

風営法では、対象となる店が基準を満たしていなければ営業許可を出せないことになっています。特に着目したいのが構造面での要件であり、風営法を理解しないまま開業してしまうとトラブルのもとになってしまうので注意が必要です。

 

風営法では、店内あるいは客室の見通しを妨げるような構造を禁止しています。カウンターのある店であれば、カウンターの高さが一番問題になりやすいといえます。具体的には、おおむね1mを超えるような設備を店内に置かないよう定められているのですが、実際には風営法を理解しないまま居抜きで購入した店舗やリフォームした店舗のカウンター・ソファの高さが1mを超えていたことからトラブルになるケースも多々見られるので注意したいところです。

 

したがって、設備の高さが0.99m以下であれば、ぎりぎりではありますが風営法の定めからいえば基準をクリアしていることになります。

 

カウンター越しでも注意したい「接待行為」とは

風営法におけるもう1つの注意点として、カウンター越しの接客が「接待」に当たるかどうか、ということが挙げられます。風営法において接待と見なされるかどうかの基準は「歓楽的雰囲気を醸し出す方法」によって客をもてなしているかどうか、という点にあります。カウンター店の場合であれば、カウンター越しであっても特定の客に対し継続して積極的な会話を行えば、それは接待であると見なされる可能性が非常に高いのです。

 

逆に、客に酒類を提供することを主目的として、酒の用意と提供を行ったりお酌をしたりしたあと速やかにその場を離れるようなシチュエーションであれば、接待には当たらないとされています。もちろん、注文を聞いたり少々の世間話をしたりする程度であれば、接待行為とはみなされない傾向があります。

 

カウンター越しの接客であれば接待には当たらない、とする声も聞かれますが、風営法ではカウンターの有無を問わず接待の判断を行うので注意しましょう。カラオケ設備のある店では、客とのデュエットや拍手なども接待行為と見なされる可能性があります。

 

接待行為があった場合の刑罰

接待行為があったと認められた場合、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはその併科が科せられる可能性が出てきます。程度がひどい場合は営業停止命令を受けることもあるため、深夜帯の店舗を運営する場合は風営法をよく知り、きちんと定めにしたがった店作り・サービス提供を行うようにしましょう。

 

まとめ

風営法の重要性についてはすでに述べたとおりですが、店内の見通しについて判断を左右する設備について例外があります。基本的には1m以上の設備(カウンターなど)がある場合は直す必要がありますが、警察による判断はやや流動的でもあり、実際に申請してみないと結果がわからないところがあるのも事実です。現場を確認に来た担当者が、その店舗設備を確認して良しとするか却下とするかは、担当者自身の解釈や裁量に委ねられている部分もあるからです。

 

だからこそ、深夜帯営業の店舗を持ちたい場合は、警察OBを含む当事務所スタッフや経験豊富な行政書士に相談し、適切な助言を受けたうえで許可申請に臨むことをお勧めします。先に述べたとおり、警察側の判断もケースにより変わってくる可能性があるので、どのような姿勢で許可申請に臨むべきか、まずはお気軽にお問い合わせください。