飲食店を開業する際、店内の照度(明るさ)をどの程度に設定するかは、店のイメージや雰囲気だけではなく、風営法の許可がおりるかどうかにも影響してきます。ここでは、飲食店の照度におけるルールについて説明していきます

 

飲食店における照度(明るさ)のルール

飲食店において照度(明るさ)は、その店がアピールしたい雰囲気を作り出すための重要な要素になってきます。照度の単位はルクスとよばれ、営業形態によって以下のようにルールが定められていますので注意しましょう。

 

  • 飲食店(店舗):50ルクス超
  • 飲食店(客室):10ルクス超
  • 深夜酒類提供飲食店の客室:20ルクス超
  • 区画席飲食店営業の客室:10ルクス超
  • 雀荘、パチンコ店の客室:10ルクス超
  • 特定遊興飲食店営業の客室:10ルクス超
  • 低照度飲食店の客室:5ルクス超

 

風営法にかかわる低照度飲食店とは

低照度飲食店とは店内の照度が10ルクス以下のものを指しており、客席に限り5ルクス以下でもいいことになっています。このような形態で店舗営業する場合は、風営法における2号営業許可を取らなければなりません。では、2号営業許可とはどのようなものなのでしょうか。

 

2号営業許可の概要と要件

前述の通り、店内照度が10ルクス以下の場合は、風営法2号営業許可を取得しなければなりません。1号に該当するキャバレーやスナック、パブ、キャバクラのように接待を伴うことなく、客に飲食させる店が2号営業許可の対象となります

 

人的要件

以下の欠格事由のいずれかに該当する場合、風俗営業許可を受けることができません。

 

  • 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
  • 1年以上の懲役・禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 風営法その他の一定の法律に違反したことにより、1年未満の懲役・罰金の刑に処され、その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 集団的又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある者
  • アルコール、麻薬、大麻、阿片、覚醒剤の中毒者
  • 風俗営業の許可を取り消され、取消しの日から5年を経過していない者(法人である場合は取消処分に係る聴聞公示日以前60日以内に法人の役員であった者で、取消しの日から5年を経過していない者
  • 風俗営業許可の取消し処分に係る聴聞公示日から処分をする日又は処分をしない事を決定した日の間に風俗営業を廃止した事を理由とする許可証の返納をした者で、返納日から5年を経過していない者
  • 風俗営業許可の取消処分に係る聴聞公示日から処分をする日又は処分をしない事を決定した日の間に合併により消滅した法人、許可証を返納した法人、分割により聴聞に係る風俗営業を承継させた法人、分割により聴聞に係る風俗営業以外の風俗営業を承継した法人の取消処分に係る聴聞公示日以前60日以内に役員であった者で消滅・返納・分割の日からそれぞれ5年を経過していない者
  • 営業に関し、成年者と同一の能力を有しない未成年者(その者が営業者の相続人であって、その法定代理人が上記のいずれにも該当しない場合は除く)
  • 法人の役員、法定代理人が欠格事由に該当する場合

※「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」参照

 

場所的要件

風俗営業は決められたエリアでしか営むことができませんので、場所的要件についてもあらかじめよく調査しておきましょう。原則として、以下に該当する用途地域に限り営業が認められます。ただし、ローカルルールなどが存在する場合もあるので、行政書士などの専門家か警察署にあらかじめ確認しておくことが大切です

 

  • 商業地域
  • 近隣商業地域
  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域
  • 無指定地域

 

また、以下に挙げるような保全対象施設から一定以上離れていることも重要要件となります。

 

  • 病院・入院施設のある診療所
  • 学校教育法に定めのある学校
  • 幼稚園・小学校・中学校・高等学校
  • 中等教育学校・特別支援学校
  • 大学・高等専門学校
  • 認定保育所・幼保連携型認定こども園
  • 図書館
  • 児童福祉施設

 

構造要件

2号許可を得るためには、店内の見通しを妨げるような造りではないことが重要になってきます。また、風俗環境を害するような掲示物などを設けることも禁止されています

 

  • 客室内部構造:見通しを妨げる設備を設けないこと
  • 客室の出入口:施錠の設備を設けないこと(営業所外に直接通ずる出入口は可)
  • 営業所の照度:客室は5ルクス超であること(客室以外は10ルクス超)
  • その他:善良の風俗もしくは清浄な風俗環境を害する恐れのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと
  • 騒音又は振動の数値が一定の数値に満たないこと
  • 客室内部構造:高さが1m以上の設備を設置していないこと

 

まとめ

開業しようとする店舗の明るさの基準については、店舗内10ルクス以下、客席5ルクス以下と法律で定められていますが、2号営業許可の申請要件に関しては各自治体に設けられた条例に従う必要があります。当事務所では、警察OBを含むスタッフと経験豊富な行政書士が対応しますので、まずはお気軽にご相談いただき、これから開業しようとする店舗の詳細についてぜひお聞かせください。